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第15回図書館総合展がパシフィコ横浜を会場に、10月29日(火)から31日(木)の日程で開催されました。
大日本印刷(株)/(株)図書館流通センター主催のフォーラム(電子図書館は普及するか―「TRC-DLの取り組みから」)で、林下中西出版代表が「一般社団法人北海道デジタル出版推進協会(略称:HOPPA)」代表理事として、約200名の出席者を前に講演をしました。

「地域の文化や歴史を後世に伝える、出版社と図書館の協働」と題して、地方出版社の電子書籍への取り組み、HOPPA設立に至る経緯、HOPPAでの活動を通じて地方出版社が目指すもの、について話をしました。
電子書籍普及の課題として「ディスカバラビリティ(発見される能力)」の問題が指摘されますが、地方出版社にとっては、紙の書籍でも似たような状況があります。
地域の図書館への電子書籍提供は、電子化による新たなサービスというだけではなく、地元出版社の出版物を地域の人々に知っていただく機会としても位置づける事ができます。

もう一人の講演者である、昭和女子大学人間学部の大串夏身特任教授は「利用者へ価値を届ける電子図書館サービスのあり方」という題で講演されました。
海外の図書館や日本各地の公共図書館のサービスの事例の紹介をされ、図書館の役割を整理し「知識創発型社会を創り出すために、図書館が電子書籍を購入し提供する事は欠かせない」と述べられました

講演の後、壇上に並び質問を受けましたが、昨年と比べるとより具体的な内容のものが多いと感じました。公共図書館、出版社、利用者とそれぞれの立場があり、課題はいろいろありますが、「実証実験」の段階は終え、実際の運用の中で問題点を整理・解決していく段階に入っているという認識を持ちました。(Y)