完成した2種類の記念誌

 札幌市立澄川小学校は、今年で開校50周年を迎える。澄川に関わり、澄川の地でともに歩んできた、大人にも子どもにも役立つような記念誌を作りたいという教職員の皆さんの熱い思いから、2冊の本が生まれた。

 1冊は、大人向け。地域の地理や歴史、小学校の取組や行事の変遷などを、多くの資料写真とともに振り返ることができる。堅苦しくせず、読みたくなるような大胆なレイアウトを心がけた。巻末には昔から澄川に住んでいる地域の方の対談が収録されている。

 もう1冊は、「わたしたちの澄川」と題された、子ども向けのもの。社会科の副読本「わたしたちの札幌」の完全オリジナル・ローカルバージョンとも言えるこの冊子は、すべての漢字にルビがふられ、やさしい言葉で澄川の昔と今が語られている。現在の澄川小学校の周りのマップや、周辺施設の紹介も写真付きで掲載し、子どもたちが実際に足で歩いて地域のことをもっと知るためのガイドしても活用できる。子どもたちのためにこうしよう、ああしようと先生たちが考え抜いた、工夫あふれるかけがえのない本になった。

 これまで地域に関わってきた人々の延長線上に自分がいるということ。そして、今はまだ小さな子どもたちがやがて担う、この先の地域の未来へつないでいくということ。50年の節目の本づくりに携わり、大切なことを教えていただいた。(H)