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アトリエで立体作品と 日本画家・平向功一さんのポストカードをお手伝いさせていただいた。
平向さんが日本画で用いる和紙は「鳥の子」。その雛のように淡く黄色味がかったやさしい色味。また岩絵の具の画肌を、ヴァンヌーボVナチュラルという紙で演出した。平向さんの二次元を超えた立体日本画作品に漂う、柔らかなまろみを感じさせる角丸加工。そんな4種のちいさな絵葉書が完成した。

丸みをおび優しい風合いのカード この絵葉書は子どもたちへのプレゼントだ。平向さんは近くに美術館が無い小学校に沢山の美術作品を携えて訪問し、子どもたちに芸術の楽しみを伝える活動をしている。子どもたちはこの経験を通じて大切な宝物を心に宿すことだろう。

「たとえその宝物の存在を子どもたちが成長過程で忘れてしまったとしても、いつかこの絵葉書を再び手のひらに置いた時、それは目覚める」と平向さんは言う。カタチに“ノコス”という行為は時間という概念を超越する。そしてそこにはやさしくておおきな気持ちが込められているのだ。(K.Y)